― つむじ ―
「君のつむじ…」
「…っは?」
立てた両膝の間で、激しく頭を揺らすヒカル。
背中を壁に預け、そこから視線を外さないアキラ。
仰向けに寝そべったまま一方的にされるのは、好きじゃないらしい。
ヒカルもまた、アキラがより近くで見てくれている方が、感じる。
ヒカルの口内でいいようにされているアキラ自身は芯から震え
それがヒカルの愛撫のせいで起きる震えなのか
感じる余りに自らの血流が起こすものなのか
どちらがより強いのか、アキラにもわからない。
執拗に、丁寧に愛撫されるそれは、いくつもの筋を浮かび上がらせるほどに固く育ち
ヒカルの咽喉を突き刺す、肉体の凶器になっているに違いなかった。
「つむじが…」
「な、に?
「綺麗なんだ…」
「?」
「君のつむじ、頭の真ん中にあって…髪が流れるように渦巻いて…何だか…」
アキラが上半身を倒せば、それだけヒカルの頭に近付き
必死で伸ばした手で頼りなげに、目前で揺れる金色の前髪をかきまぜた。
「終局後、頭を下げる…間近でも、映像でも、ずっと見て来た…のに…」
「うん、つむじって…頭の天辺の?」
「そう…だけどまさか、こんな格好で…こんな角度…」
「俺のつむじを見ることになるなんて、思わなかったって?」
言い終わると同時に、ジュッ!…と
張り詰めて、ツルリとした丸みをさらしている先端を吸われた。
そそり立った中で渦巻くものが、全部、吸い出されるような強烈な刺激に
アキラはいよいよ放ってしまいそうになり
あっ…と、切羽詰った悲鳴をあげる。
「なあ、こんなカッコでって…どういうカッコのこと?」
「ん………ぁあっ…」
「ねえねえ、言ってよ、今、どんなことされてるの?俺のつむじ、見ながら…」
「そん、な…っう…」
「言葉で言って。ちゃんと――俺に何されてるか――言って――」
ヒカルは頭を真横に倒すと、竿の部分に側面から軽く歯をあて、上から下までゆっくりと舐め上げた。
すぐに下へと舐め降りる。
目を伏せ、うっとりとした表情で。
「か、かじられてる…君に…」
「他には?」
「舐められて…」
「舐めるぅ?そんな可愛いもん?」
「吸われても…」
「ただ吸うだけ?もっとないの?しゃぶるとかー、咥え込むとかー、何かエロい表現、使ってみろって」
ヒカルの手が、アキラの竿を激しく上下にしごき
口はその下の丸く、柔らかいものをすっぽり飲み込むようにする。
舌先が器用に転がせば、二つの袋の中で息づくものは妖しく蠢いた。
「意地悪、するな…そこは敏感………あ!…ぁ、ぁ…」
「ちゃんと言わないから。袋だけじゃなくって、竿も弄って欲しい?それともカリんとこ?穴?…あ、裏側?」
「あっ、…ん…」
「もっとちゃんと皮が伸びるように強く吸って、引っ張んないとな。男はそういう刺激がないと、イけないもんな」
言い終わるとヒカルはもうお喋りは止めだとばかりに、口淫に徹し出した。
それでも、アキラが放ちそうになるとすかさずポイントを外し
もどかしさにその細腰がねじれるのを楽しむ。
「ヒカルッ…ヤだ…焦らすな…」
「だから言えって。何、されてんの、今…」
「………咥えられて…」
「ん?」
「美味しそうに、咥えられてる…」
「ああ、確かに。めちゃくちゃ美味しいっ…ま、最後に出るもんほど美味しいもんはないけどな。…ちゃんと濃いーの、ちょーだい。アキラ…」
「やっ!あ、あ、あ―――っん…」
アキラの悲鳴が一際高くなったのも、無理はなかった。
ヒカルの頭は変わらずカクカク揺れる太ももの間で、そのつむじを見せていたが
イタズラな指も後孔に忍び込んで来たのだ。
慣れた指はアキラの秘所を探り、自分がキュウキュウと入り口を締めているのがわかっていた。
止められない。生理的な反応に近い。
それをわかっているヒカルの指は更に数を増やし
その反応すらも楽しむように依然、嬉々としてアキラの中をさすらっていた。
前も後ろも愛されて、翻弄されて、アキラの意識は混濁していく…
「イけよ?一点に集中してイけ。…俺のつむじ?っつーの、見詰めてろ」
「ああっ…っ、――っ…」
言われた通りつむじがよく見えるよう、ヒカルの髪の毛を指先に絡ませて目の前に引き寄せる。
…もう限界だ。
感度は抜群、いくらでも高いレベルで感じ続けることが出来る。
その割に、最後はなかなかイけないように作られてしまったアキラの体。
いよいよという頂点、アキラは震える手でヒカルの頭を掴み
普段は視界を過ぎるだけの愛しい人のつむじを、きつくきつく、睨み付けながら達した。
長い、長い間、放ち続ける…
息を詰めて。唇を噛んで。眉間に皺を刻んで。
その間もアキラは自分のペニスを離さないヒカルの頭を、そのつむじを
凝視し続けていたのだった…
後日。
もう君のつむじを平静なままで見ることは出来ないと、アキラは恨みがましく言ってから
笑った。